出生前診断でダウン症を見逃す驚きの確率や理由とは!?

bandicam 2015-10-02 18-10-04-231出生前診断の告知ミスをめぐる国内初の訴訟で判決が下され、出生前診断によるダウン症の精度に注目が集まっています。

そもそもダウン症や出生前診断とはどのようなもので、その精度はどれくらいなのでしょうか。

ちょっと気になったので調べてみました。

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ダウン症や出生前診断とは

ヒトのもつ染色体の数は常染色体が22対、性染色体が2本で合計46本なのですが、ダウン症とは体細胞の21番染色体(常染色体で本来1対、すなわち2本存在している)が1本余分に存在し、計3本(トリソミー症)持つことによって発症する先天性の疾患群のことを指します。

一方、出生前診断とは妊娠9週~22週頃に行われる「胎児に奇形や病気、染色体異常がないかどうか」を調べる検査の総称で、超音波検査(エコー検査)、母体血清マーカーテスト、羊水検査、絨毛検査、新型出生前診断の大きく5つに分けられます。

超音波検査(エコー検査)とは

超音波のはねかえりを利用して、おなかの内部をモニター画面に映し出して調べる検査で、赤ちゃんの心臓の拍動だけでなく、大きさや位置、姿勢などの形態も見ることができます。

そして、ダウン症の場合には首の後ろに厚さ(浮腫)が認められるそうです。

ただ、超音波検査でダウン症かどうかが分かるというより、ダウン症の特徴らしきものが認められるというレベルの精度です。

母体血清マーカーテストとは

妊娠した女性の体の中ではタンパク質やホルモンなどといった化学的な成分に特徴的な変化が認められます。

そこで、そうした特徴的な成分の濃度をお母さんの血液を採取して調べることで、赤ちゃんに異常が生じているかどうかを調べるのがこの方法です。

この検査によってダウン症とわかる確率は、ジェンザイム社のデータによると、検出率86%くらい。

すなわち、検査を受けた妊婦さんから、100人のダウン症児が生まれた場合、86人は検査でダウン症だと予測された妊婦さんから生まれ、14名は検査でダウン症ではないと予測された妊婦さんから生まれた、ということを意味しています。

なかなかの高確率で外すな!と驚いてしまうと思いますが、この検査で陽性という結果が出た場合、羊水検査でさらに調べていくそうです。

確かに、これだけだとあまりに外しすぎですからね。

羊水検査とは

妊娠した女性の子宮に長い注射針に似た針を刺して羊水を吸引すること(羊水穿刺)によって採取した羊水中の物質や羊水中の胎児の細胞をもとに、染色体や遺伝子異常の有無を調べる方法です。

この検査だと偽陽性の確率、すなわち本当は陰性であるのに陽性と出る確率が0.6~1.0%、偽陰性の確率、すなわち本当は陽性であるのに陰性と出る確率が0.6%なんだそうです。

なかなか精度の高い検査ですが、胎児の細胞を採取するときに母体を傷つけて流産のリスクを高めてしまうという問題点があります。

絨毛検査とは

絨毛とは、受精卵から発生した細かい突起のことで、まるでじゅうたんの毛のように胎盤表面から出ており、胎盤と子宮を繋いでいます。

絨毛検査は、超音波検査で胎盤の位置を確認しながら、子宮頸部にカテーテルを挿入、もしくは妊婦さんの腹壁に針を挿入して絨毛を採取し、採取した胎児の細胞を培養して染色体の数や構造を調べ、染色体に異常が無いかを調べる検査です。

先ほどの羊水検査とともに胎児の細胞を採取して検査するのですが、羊水検査と絨毛検査の大きな違いは検査ができる時期です。

羊水検査は羊水を採取するため、安定期の妊娠15~18週に検査することになります。

一方、絨毛検査の方が数週間早く(12~14週に)検査をすることができます。

そして、この検査も100%に近い精度をもっていますが、羊水検査と同じで胎児の細胞を採取する過程で、母体を傷つけて流産をリスクを高めてしまうのが問題です。

そんなとき、新たに登場したのが新型出生前診断でした。

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新型出生前診断

この検査は母体から採取した血液で胎児の染色体に異常があるか調べる検査なのですが、新出生前診断ではわずか20ccほどの血液を注射器で採取するだけでよいので、母体への負担を大幅に下げ、流産のリスクをおさえることができるというメリットがあるのです。

そして、気になる精度は80~90%前後の確率で胎児の先天性異常を予見することができるそうです。

しかし、10~20%の確率で見落とすということも意味します。

なかなか見落とす確率が高いなと驚いてしまいますね。

ただ、陰性的中率、すなわちダウン症ではないと診断されたときに、ダウン症ではない子供が生まれる確率は99.9%以上という驚異的な数値を記録しているので、新出生前診断で陰性と判定されれば、ほぼ確実にダウン症の可能性はないと言えるそうです。

まとめ

新型出生前診断で簡単に、かつ母体を傷つけずに検査すると流産のリスクをおさえることができますが、直接胎児の細胞を採って検査するわけではないためダウン症を見落とす確率も10~20%とかなり高いです。

しかし、ダウン症ではないと診断されたときの信頼性は高いので、その点は優れた点と言えると思います。

そして、その見落とす確率を心配して羊水検査や絨毛検査をすれば、見落とす確率は大幅に下がりますが、一方で流産のリスクが高くなるので、それぞれの検査の良い点と悪い点を見ながら、何を優先するのか考える必要がありそうですね。

ただ、どんなに検査をしても100%の確率でダウン症を見つけられるわけではないので、そこは常に頭に置いておいた方が良いのではないでしょうか。

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