大村智のイベルメクチンとは何?作用の仕方は?また、弱点は?

サムネイルノーベル賞を受賞した大村智さんが開発に携わったイベルメクチンという薬に注目が集まっています。

これはどんな薬で、どのように働き、また弱点はあるのでしょうか。

ちょっと気になったので、調べてみました。

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イベルメクチンとはどんな薬?

イベルメクチンは腸管糞線虫(十二指腸および空腸の粘膜および粘膜下層に寄生している糞線虫)を駆除する薬の1つで、糞線虫が引き起こす感染症である腸管糞線虫症に対する薬です。

また疥癬(かいせん、皮膚疾患の一種)や毛包虫症(もうほうちゅうしょう、皮膚疾患
の一種)の治療薬でもあります。

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作用の仕方と弱点は?

神経細胞と神経細胞の間にはシナプスと呼ばれる部分がありますが、刺激がシナプス前部と呼ばれる部分にやってくると、そこからシナプス小胞と呼ばれる小さな容器から刺激を伝達するための物質(神経伝達物質)が放出されて、その物質がシナプス後部と呼ばれる部分に受け取られることによって、刺激が隣の神経細胞に伝達されていきます。(下図参照)

神経

ただ、神経伝達物質には刺激を促進していくものと抑制していくものがあって、その抑制的に働く神経伝達物質にGABA( γ(gamma)-aminobutyric acid :γ-アミノ酸の頭文字をとった略称)があります。

そして、イベルメクチンは病気を引き起こす線虫のシナプスと呼ばれる部分で、GABAの放出を促進することにより刺激が伝わらないようにすることで、線虫を麻痺させてしまうのです。

麻痺したら、さすがの線虫も悪さができないですね。

しかし弱点としては、線虫以外の吸虫や条虫といった寄生虫では抑制的に働く神経伝達物質としてGABAを使っていないので、これらの寄生虫には効かないそうです。

あくまでGABAに対して作用する薬なのですね。

また、犬に感染する寄生虫である犬糸状虫の幼虫が血中に存在している犬にこのイベルメクチンを投与してしまうと、その幼虫が一気に死んだ影響で発熱やショックが起こるため、イベルメクチンを犬糸状虫感染の予防に使いたいときは、すでにその幼虫が存在していないことを確認する必要があるのだそうです。

つまり、イベルメクチンがターゲットにしている物質があるかどうかで寄生虫全般には効かなかったり、また寄生虫によっては発熱やショックといった副作用もあるのですね。

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